学長のごあいさつ
本学は1995年、栃木県大田原市に日本初の医療福祉の総合大学として開学いたしました。2017年には、10数年前から検討してまいりました医学部を開設し、本学にとって第2のスタートの年となりました。さらに18年には、東京都港区に東京赤坂キャンパスを新設し、赤坂心理・医療福祉マネジメント学部を設置するとともに、東京青山にあった大学院を移転・拡充し、生涯教育や地域交流の拠点をめざします。開学時は1学部5学科であった本学も、現在は、6つのキャンパスに10学部24学科と大学院を擁する規模となっております。加えて、来たる2020年には福岡県の大川キャンパスに福岡薬学部を開設、千葉県の成田キャンパスにある成田保健医療学部には放射線・情報科学科を増設し、学修環境のさらなる充実を図る予定です。
本学の建学の精神である「障害を持つ人も健常な人も互いを認め合って暮らせる『共に生きる社会』の実現」は、生涯を通じて人権擁護に尽力された初代学長・大谷藤郎先生によって提唱され、これまで一貫して継承されてきたものです。この建学の精神のもと、キャンパス内に複数の医療福祉施設を併設し、学生が日常生活のなかで高齢者や障害を持つ方々と触れ合うことによって、自然に慈恵の心が培われる教育環境を整えてまいりました。
また、高度な知識と技術を備え、人間性豊かな医療人を養成するため、教育スタッフに各分野の第一人者を招へいし、先進の教育ツールを駆使した先駆的なカリキュラムで教育を行っております。早期から現場を体験することも重視しており、本学が有する附属病院と臨床医学研究センターという位置づけの多くの関連施設を活用して、1年次の早い段階から臨床実習を行っております。2020年には千葉県成田市に附属病院となる「国際医療福祉大学成田病院」を新設し、実習環境はさらに充実します。
現在、医療福祉の現場では、複数の専門職が協働して治療やケアにあたる「チーム医療・チームケア」が不可欠です。本学ではさまざまな専門職を養成する学科がそろった医療福祉の総合大学である利点を生かし、学科を横断したチームを編成して「チーム医療・チームケア」を体験する本学独自の「関連職種連携教育」を実施しております。医学部に加え、赤坂心理・医療福祉マネジメント学部の新設に伴い、今後はチームに医師や心理専門職の視点が加わることで、より臨床に即した教育が可能になります。
本学で学ぶことを希望されている皆様が、本学の充実した教育スタッフと教育環境を十分に活用され、勉学のみならずスポーツやボランティア活動を通して人格形成に精進し、医療福祉のリーダーとして国内外で幅広く活躍されることを期待しております。
大友 邦 (おおとも くに)
東京大学医学部卒業。米国ワシントン大学、ピッツバーグ大学に留学後、東京大学大学院医学系研究科放射線医学講座教授。消化器領域を中心としたCT・MRIによる画像診断とIVRの発展に貢献。放射線診断専門医。日本医学放射線学会理事長、第70回・第74回日本医学放射線学会総会会長、東京大学大学院医学系研究科生体物理医学専攻長などを歴任。東京大学名誉教授。