大田原キャンパス

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総合講義 第8回:本学心理学科長
橋本和明教授が講演

 大田原キャンパスは「現代社会をどう見るか」をテーマに、2023年度の総合講義を開講しました。最終回となった第8回は、本学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部心理学科長の橋本和明先生が講師を務め、「愛着障害と発達障害を考える」をテーマに1月19日(金)に講義をされ、約130名の学生・教員・市民が聴講しました。

 橋本先生は非行臨床、犯罪心理学および児童虐待を専門としており、実際に体験した事例を数々挙げ、愛着障害と発達障害について語られました。いわゆる愛着の形成に何らかの問題を抱えている状態である「愛着障害」は、発達障害と複雑に関係しており、外部から診断することの難しさ故に、慎重に判断する必要があると発言されました。

 発達障害は生まれ持った遺伝子によるものだけと思われがちですが、虐待も含む長期的で反復する複雑性トラウマの影響で脳は変化し、後天的に発達障害の症状が出てしまうこともあると危惧されました。

 その症状を予防あるいは改善するためには、早期に発見することが大前提にあり、その上で「ほめる」ことの重要性を説かれました。「根拠に基づき、豊かな語彙と適切なタイミングでほめることで、初めて相手の心に響きます」と、ほめることに対する認識を改めさせられる言葉を発言されました。

 参加者からは、「身近な問題だが、外からは気づきにくい特性上、もっと意識して寄り添う必要があると感じました」「講義の最後に具体的な対処方法として『ほめる』という手段を教えて頂けたので、さっそく実践してみようと思います」といったお声を多く頂きました。

 「愛着障害と発達障害」をより身近に捉え、すぐに実践のできる「ほめる」ことを意識して今後の生活に役立てたいと感じる講義となりました。

 2024年度も、市民のみなさまにも公開する総合講義を後期に開講します。日時、講師など詳細が決まりましたら、改めて案内いたします。