大田原キャンパス

学科トピックス

【シリーズ 私の臨床4】 失語症(しつごしょう)

2020.11.24

 私たちの脳は言葉を使うための複雑な働きを担い、脳の損傷によって言葉で伝えたり、相手の言葉を理解したりすることが難しくなることがあります。このような症状を失語症(しつごしょう)と言います。言葉は自分の意思を伝えるだけでなく、周りの人や社会とのつながりを作り、その人らしく生きることを支えています。

 言語聴覚士は、患者さんお一人お一人に合わせた、オーダーメイドの言語訓練を行い、言葉の回復を助けます。病気をしてすぐは、なかなか言葉が出ず気落ちされていた方が、言葉の回復とともに笑顔を取り戻していく姿をみると言語聴覚士としてのやりがいと誇りを感じます。

 また、言語聴覚士は、その方の持っている力を活かしてコミュニケーションを取れるようにし、再び社会とのつながりが広がるように支援しています。失語症友の会「那須ひまわり会」では、失語症をお持ちの方や家族、地域の言語聴覚士が集まり、グループ訓練や交流会を行っています。同じ障害をお持ちの方同士で伝えたいことを推測するなどして助け合い、笑いが絶えない会で、私も毎回楽しみにしています。失語症をもちながらも、生き生きとされている人生の先輩方から、いつもたくさんのことを教えて頂いています。

言語聴覚学科 櫻岡絵里香

  • 個別訓練の様子
  • 失語症友の会の交流会