【私の講義:1年生 コミュニケーション技能演習】
人間は、ことばでお互いの考えていることや気持ちを伝え合っています。私たち言語聴覚士は、病気や事故、聴覚障害、ことばの発達の遅れなどによって、ことばによるコミュニケーションに難しさを持つ方にアプローチし、評価、指導・助言を行っています。ことばやコミュニケーションの専門家である言語聴覚士にとって、「コミュニケーション能力」は重要な技能であり、臨床にも生かされます。
言語聴覚学科1年生の必修科目に「コミュニケーション技能演習」という科目があります。大学入学直後の1年生に向けて、「言語聴覚士」という職業イメージを持ってもらうと共に言語聴覚士としてのコミュニケーションスキルを身に付けていくための科目です。
「言語聴覚士」の職業を知るために、教員が経験してきた臨床映像や臨床現場の映像を視聴し、早期から言語聴覚士の仕事内容を理解することを目的に行っています。専門的な内容を習う前の1年生ですが、実際の言語聴覚療法場面を見ることで、言語聴覚士としてのやりがいを知ることが出来ます。
「コミュニケーション技能演習」の講義内では、健常の高齢者やお子さんのコミュニケーションの特徴を知るところから始まります。核家族化の時代であり、世代の異なる高齢者やお子さんと関わったことのない1年生も多くいます。講義ではなるべく視覚的にイメージしやすいように動画を用いたり、実際に演習を行ったりしながら進めています。
この講義を通して、自身のコミュニケーション特徴に気づき、2年生以降の臨床実習に向けて基本的なコミュニケーションスキルを身に付けることを目標にしています。
(言語聴覚学科 三森千種)