坂本幸平助教が研究責任者を務める調査研究が下野新聞（5月18日（水）1面）に掲載されました
本研究は、全国健康保険協会（協会けんぽ）栃木支部の皆様と協働で、労働者の健康増進に向け地域や職業別に健康格差を分析し、健康増進と企業業績の連動性を検証します。
全国の保険者が抱える問題の一つに加入者の健康問題があります。具体的には、特定健診受診後のケアが不十分であることに本研究では焦点を当て、保健指導の現場で活用できる健康指標を作成し、指導を受ける方にも理解しやすく継続的な改善行動につながる環境整備をめざします。
その成果獲得のため、医療機関が行った医療行為や傷病名などが記載された診療報酬明細書（レセプトデータ）や健康診断データからなる約54万人分のビッグデータを解析します。生活習慣病関連の罹患確率を示す予測モデルを作り健康改善を促す保健指導で活用することで、健康増進の面で社会貢献を目指します。
このように本研究では、産業や地域の労働者それぞれの健康リスクなどを解明し、健康課題解決に向けたエビデンス獲得が期待されます。
この調査研究に参加する坂本助教は「現在、働き盛り世代の健康促進が潮流でありさまざまなアプローチがされている一方、健診受診率の向上が課題です。将来的に健康と医療のボーダーを超えた一連の概念にもとづく治療や指導が必要になると考えます」と話しています。
また、「本学科では、医療や福祉、マネジメントの分野で活躍する人材を養成しており、私の専門である診療情報管理とデータサイエンスを共に学び、将来は病院や企業で活躍できるエキスパートを目指しましょう」と高校生に向けたメッセージも発信されています。