国道461号がラベンダーロードに
「PCCラボ」の学生ら250株を植樹
大学南門前を走る国道461号の中央分離帯に、薬学部のメンバーが中心となって進めてきたラベンダーの植樹が進み、11月30日には今年度分250本の植樹が完了した。クリスマスに向け、夜はライトアップもされ、通る人の目を和ませています。
この活動を進めてきたのは今年度、サークルから部に昇格した「PCCラボ」(Pharmacognosy Club=生薬学クラブ、顧問・佐藤忠章准教授)の3年生を中心とする20人以上の学生たちです。PCCラボではキャンパス内にある薬用植物園(薬草園)の管理を行っていますが、SDGsの観点から薬草園の落ち葉や雑草から堆肥を作り、さらにはこの堆肥を利用した野菜の栽培を計画していました。
しかし、この野菜を栽培する場所がキャンパス内にはないため、目を付けたのが南門前の国道461号(奥沢バイパス)の雑草が伸び放題になっている中央分離帯でした。そこでこの国道を管理する栃木県大田原土木事務所に相談したところ、中央分離帯を野菜の栽培をする畑として利用するのは難しいことが判明。何とか有効利用ができないか知恵を絞った結果、「ラベンダー植樹」というアイデアが生まれ、2023年3月にラベンダー412本を植樹する占用許可を得ることができました。
アイデアを出す過程では、ローズマリーやハッカの植樹も出されましたが、繁殖力が強すぎ、道路の見晴らしが悪くならないラベンダーなら問題がないと土木事務所からも許可を得ることができました。ラベンダーは本学の花壇で育っており、株分けでコストを抑えられることから、リラックス効果があり香りもよいラベンダーに決まりました。
活動当初はPCCラボの3年生10人が中心でしたが、薬用植物園の管理を担当している藤井幹雄准教授の研究室の5年生で実家にラベンダーが植えてあるという佐井川紫穂さん、父親が群馬県のラベンダーパークでラベンダーの育成管理をしているという金子凌也さんという強力助っ人が加わりました。
メンバーたちは大田原市役所農林整備課農村環境対策係と協議をし、近隣自治会への協力を依頼、さらにボランティア活動に理解がある天野建設などと接触しました。大田原市みどりの倍増プラン推進委員会の緑の募金から20万円相当のラベンダーの現物支給を受けたほか、ラベンダーの香りのする日本酒製品化に向け、近くの渡邉酒造にもうかがいました。
また、この「ラベンダーロード計画」のため、大学コンソーシアムとちぎ学生活動支援事業に公募して補助金(10万円)を獲得することもでき、植樹用の土や除草剤を購入することができました。
大田原市みどりの倍増プラン推進委員会から212株のラベンダーをいただくなどして現在は250株の植樹を完了しました。
コロナ禍で低調になっていたボランティア活動でしたが、この活動に大勢の学生が賛同してくれていることに、藤井准教授は「自主的に参加してくれています。社会貢献への意識の高い学生が多く、非常に誇らしいことです」と喜んでいます。
PCCラボでは、ラベンダーの植樹をさらに進め、将来的には1500本から2000本を植え、完成すれば正式に「IUHW大田原ラベンダーロード」と命名する計画です。植樹の箇所は全国ランニング大会100撰にも選ばれた大田原マラソンのコースにもなっていました。今後、コースの名所にできれば、とメンバーたちは胸を膨らませています。