第12回日本支援工学理学療法学会学術大会において学術大会長賞を受賞
この度、第12回日本支援工学理学療法学会学術大会において小林先生と柊学科長が発表した演題が学術大会長賞を受賞しました。演題タイトルは「模擬傷病者マネキンの性別が胸骨圧迫の質に及ぼす影響」です。学会ホームページの「耳寄り情報」から演題動画が閲覧できますので、詳細を是非ご覧下さい。理学療法学科では研究成果を学生教育に活かし、質の高い人材の育成を目指しています。
【小林先生のコメント】
毎年、フレッシュマンセミナーで一次救命処置の実技指導を担当しています。練習が練習で終わらないよう工夫を凝らしていますが、「傷病者が女性の場合でも練習と同じようにできるのか?」という疑問が浮かんだのが出発点でした。今回、その成果が評価されたことはとても光栄です。関係者の皆様、本当にありがとうございました。
【研究概要】
現状、胸骨圧迫の質に対して「傷病者の性別が重要である」という推測を支持、または反証する研究は見当たりません。そこで、心肺蘇生訓練用マネキンにシリコン乳房を付加して胸骨圧迫の質を検討しました。その結果、圧迫深度適正率とリコイル(圧迫解除)適正率に有意差が認められました。シリコン乳房が付加されているマネキンでは胸部をより強く圧迫することが意識され、一方でリコイルについては胸部を圧迫したあとの「乳房の戻り(弾性)」を胸壁の戻りと誤認した可能性があることを報告しました。
【論文情報】
Kaoru Kobayashi, Yukinobu Hiiragi: Effect of mannequin sex on the quality of chest compressions. American Journal of Emergency Medicine, in press.