動体追跡技術をもちいた新規睡眠行動解析システム 「SleepDetect」の開発
薬学部、浜田俊幸准教授らの研究グループが動体追跡技術をもちいた新しい睡眠行動解析システム 「SleepDetect」に関する論文をBiochemical and Biophysical Research Communicationsに発表しました。
浜田俊幸准教授らが開発した動体追跡技術は、3次元空間で予測不可能な動きをするマウスの体の特定部位を1mm以下の誤差で3次元座標をリアルタイムに正確に同定し解析します。以前、この動体技術を用いて生体各組織の遺伝子発現を長期間リアルタイムに定量解析するシステム「MouseTracker」を開発し、生体リズムが乱れる過程を可視化しました(Hamada et al., 2016, Nature comm.)。
今回、動体追跡技術でマウスの頭の動きを0.5sec 毎にリアルタイムに追跡し、最長10秒以内に睡眠、飲水、摂食、自由行動を自動解析し、3次元空間でマウスが飼育ケージ内で、いつどこで何をしているかリアルタイムに明らかにするアプリケーションソフトを開発し「SleepDetect」と名付けました。これまでの自由行動しているマウスの睡眠解析は脳に電極を取り付ける手術をする必要があり、解析には脳波の周波数解析にある程度の時間が必要でした。遺伝子発現解析システム「MouseTracker」と連動することで、様々な行動をしているマウスの各組織の遺伝子発現を同時に解析でき、遺伝子発現から行動解析まで長期間自動解析できます。
「A novel method for measurements of sleep/wake states, feeding and drinking behaviors using the tracking technique of 3D positions in freely moving mice」
Toshiyuki Hamada*, Kenneth Sutherland, Jun Saito, Masayori Ishikawa, Naoki Miyamoto, Sato Honma, Hiroki Shirato, Ken-ichi Honma,
* Corresponding author
Biochemical and Biophysical Research Communications, Volume 732, 5 Noember, 2024(online 10 July)