新ADLシミュレーションルームをご紹介します
オープンキャンパスでご覧いただいた方もいらっしゃるかもしれませんが、2024年8月にリニューアルしたADLシミュレーションルームをご紹介します!
【ADLシミュレーションルームとは?】
ADLは、Activities of Daily Livingの略で、「日常生活活動」を意味します。この部屋は、日常生活活動に何らかの"困り感"がある方が在宅で"その人らしい生活"を送るために、"困り感"を体験したり、"困り感"を解決する方法を学ぶバリアフリー住宅を模した演習室です。"困り感"に合わせ、日常生活活動を行いやすくする工夫が随所に設置されています。
例えば、環境制御装置(音声・視線・タブレットやスイッチ等)により、その人の状態に合わせた家電や照明の操作ができます。また、手すりの位置や高さを調整できるトイレやお風呂等、在宅生活を支える機器が整っています。
【ADL室はこんな形で学生に活用されています!】
ADLの評価(対象者の状態を面接や検査等を用いて把握すること)や支援を学ぶ科目では、この部屋を利用し、学生が模擬患者を演じながら活動の困難さとその解決方法(具体的な支援)を演習しています。また、実際に障害をもち地域生活を送られている当事者の方々をお呼びし、ADL室の設備を実際に利用してもらい、様子を見せていただくなどの演習も設定しています。
<在学生コメント>
座学で学んだことを、実体験として学ぶ貴重な機会になっています。その人らしい生活が送れるように、このシミュレーションルームにある様々な機器を使いながら、支援の方法や、対人援助の技術を日々学んでいます。ここで学んだことを生かし、患者さんに寄り添える作業療法士になることが目標です。
【関森学科長より】
我々が対象とする方々は子どもから高齢者まで、また、障害の有無に関わらず全ての"困り感"がある方です。この部屋では、我々が出会う方々が"その人らしい生活"が実現できるよう、"困り感"の解決方法を多く体験、学ぶことができます。
まずは、この部屋を通して、学生が普段何気なく行っている「日常生活活動」が、何かのきっかけで急にできなくなり生活を続ける際の"困り感"を知ること。そして、我々作業療法士が対象とする多様な方々に対して、その"困り感"を解決する方法を一つでも多く知ること。そして最終的には作業療法士として、学んだ知識や技術を対象者に活かし、役に立つこと。
一人前の作業療法士を目指す学生にとって、この部屋の役割はとても大きいです。
学生の演習に用いない時期や時間帯には、地域の方々で"困り感"のある方々、そのご家族や支援者に対して見学会を開催し、地域の中で我々専門職の"強み"を活かした地域貢献活動を展開しています。
【今後の展望】
二次活用として学生の演習以外の時間を開放し、地域での活用をめざします。地域の方々にも最新の福祉機器に触れていただき、家庭への導入などを検討する際の参考にできるよう地元大田原市の協力を得て市内の地域包括支援センターやケアマネジャーに周知し、 見学・体験・相談等を行っていく予定です。福祉機器体験の拠点として、大田原市に留まらず、県北を中心としたニーズに合わせた施設利用を展開していきます。
本学は学科数が多いため、色々な職種の視点をもつ1つのチームとしてサポートすることが可能です。また、在学生と当事者・家族・地域の方々と触れ合える機会にもなり、相互によい関わりが持てることを期待しています。
■地域での活用について、下野新聞でも紹介されました(2025年1月7日)
掲載記事はこちら ➝ https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/1032199
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