作業療法学科関森英伸教授の研究課題が「栃木県大学地域連携活動支援事業補助金」に採択
― 小規模自治体に新たな挑戦「親子遊び教室パッケージ」開発へ ―
本学保健医療学部作業療法学科の関森英伸教授の申請した研究課題が、「栃木県大学地域連携活動支援事業補助金」に採択されました。
本研究では、国際医療福祉大学作業療法学科学生・教員と、なす療育園の作業療法士が、那須町子育て支援センターと連携し、小規模自治体向け「親子遊び教室パッケージ」の開発と実践に取り組み始めました。背景には、那須町における出生数が年間およそ50人にまで減少し、従来型の教室では参加率が低迷しているという現状があります。
これまで主流だったのは、発達に課題のある子どもや不安を抱える保護者を対象とした"ハイリスクアプローチ"でした。しかし、対象が限定されるため、参加促進が難しいという課題が浮き彫りになっていました。
今回導入するのは、すべての親子を対象に早期から関わる"ポピュレーションアプローチ"です。健診と連動して親子遊びを行い、ルーブリック評価を用いて子どもの発達や親子関係を記録・フォローする仕組みを整えます。家庭でも再現できる安全な遊びを提供し、玩具を持ち帰れる工夫も盛り込みました。学生は運営や評価に参加し、地域の専門職と協働して企画から検証までを担います。
今年度は1歳6か月健診に合わせて5回実施し、延べ50組の親子の参加を目標としています。アンケートやカンファレンスを通じて有用性を検証し、成果が得られれば翌年度には3歳児健診への拡大、さらに県北地域の他自治体への導入を計画しています。
この取り組みにより、虐待や発達の偏りの予防、保護者の孤立感の軽減が期待されます。また、作業療法士や保健師、保育士らが協働する新たな支援モデルの構築が進み、学生にとっても地域連携や多職種協働を学ぶ貴重な機会となります。地域全体で子どもと家庭を支える共生社会の実現を目指す挑戦が始まっています。
研究課題名:「小規模自治体におけるポピュレーションアプローチ型「親子遊び教室パッケージ」の開発と実践」
事業名:栃木県大学地域連携活動支援事業補助金
研究者:作業療法学科 教授 関森英伸
研究期間:2025年6月1日~2026年3月31日