視機能療法学科
4年間の学修の流れ
視能訓練士とは、「見ること」「見えること」の大切さ、楽しさを伝える専門職です。
近年、特に早期発見・早期治療が提唱されるようになっていますが、眼科医療においても例外ではありません。デリケートな目を守るスペシャリストを求める声は年々高まっています。欧米では古くから医療専門職として活躍している視能訓練士とは視能訓練士法に基づく国家資格をもった医療技術者のことで、眼科医と共同でプログラムを組み、視覚障害を持つ人たちの視機能の回復を手助けします。わが国での歴史はまだ浅く、眼科医約14,000名に対して視能訓練士は約14,000名と少なく、眼科医1人に対し視能訓練士は2~3人が必要と言われており、今後一層の期待が集まる専門職種です。
視機能療法学科の学修内容
1年次
- 専門的教育の土台をしっかり固める
総合教育科目で外国語や生物学、数学、物理学などの自然科学を基礎から学びます。初年次から幅広い教養を身につけるとともに、4年間の統合的学習への基礎固めを行います。専門基礎科目では、解剖・生理学や社会福祉などの医療・福祉に関わる基礎的な知識を学びます。
また、早期体験学習の一環として国際医療福祉大学病院での見学実習を実施し、将来目指す視能訓練士像を明確にすることで学修意欲を高めます。さらに、実際の眼の構造を理解するために豚眼を用いた解剖実習も行います。
2年次
視機能の多様なメカニズムを理解する
医学の各分野についての基礎知識とともに、視覚の構造や機能、眼光学や視機能検査の理論など、視覚機能とその評価に関わる専門知識について学びます。
「生理光学実習」や「視能矯正学実習」では、修得した知識を生かし視能訓練士に必要な専門技能を学内実習で養います。 視能訓練士は乳幼児から高齢者まで幅広い年代を対象とするため、保育や小児科学といった子どもの発達・発育や、高齢者や障害を持つ方々に関わる社会福祉についても学修します。
3年次
- 専門的知識・技術をより深く掘り下げる
斜視・弱視をはじめ眼科疾患の病態や検査手技、鑑別および治療法について深く掘り下げて学びます。
「視能検査学実習」では、眼科検査機器の原理や特性、実際の操作法を修得するとともに、検査法の意義や検査の信頼性、治療との結びつきを常に意識することで理解を深めます。
また、模擬患者を用いた客観的臨床能力の評価実習や、キャンパス内に併設されている医療福祉施設での見学実習、附属病院で実際の患者様への対応を学ぶ臨床実習を行い、4年次の長期実習に備えます。
4年次
実践学修を経験して視能訓練士に近づく
「臨地実習」では、これまで学修した知識や技術を生かし、全国の大学病院や総合病院、診療所などの眼科臨床施設で、医療従事者の基本姿勢を学びます。
各施設の実習指導者のもとで、眼科診療と視能訓練士の業務について学び、実践能力や臨床判断能力、チーム医療の一員としての役割と責務を身につけます。
「卒業研究」では、指導教員とともに研究に取り組みます。データ収集から統計処理までの研究過程を学び、その成果を卒業研究発表会で報告します。