大田原キャンパス

視機能療法学科

DEPARTMENT OF ORTHOPTICS AND VISUAL SCIENCES

視機能療法学科

視能訓練士とは

オルソプティスト(Orthoptist)とは「見ること」、「見えること」の大切さと喜びを伝える
医療技術専門職です。

 近年、特に早期発見・早期治療が提唱されるようになっていますが、眼科医療においても例外ではありません。デリケートな目を守るスペシャリストを求める声は年々高まっています。

 欧米では古くから医療専門職として活躍している視能訓練士とは視能訓練士法に基づく国家資格をもった医療技術者のことで、眼科医と共同でプログラムを組み、視覚障害を持つ人たちの視機能の回復を手助けします。

 わが国での歴史はまだ浅く、眼科医14,000名に対し、視能訓練士はわずか約14,000名(平成30年現在)と少なく、眼科医1人に対し視能訓練士は2~3人が必要と言われており、今後一層の人材育成が期待される専門職です。

 人間は生まれた直後から徐々に物を見ることを学習し始め、5歳ぐらいで成人と同じくらい良く見えるようになるといわれています。しかし、この時期に何らかの原因で視機能が正常に発達しなくなると、さまざまな物を見る機能はやがて損なわれてしまいます。

 このようにデリケートな視機能を検査し、斜視や弱視などの視覚障害を持つ人に対して視能矯正訓練(視力を発達させ、両方の眼で物を見る訓練)を行うのが、視能訓練士の仕事です。

 ヒトは情報の80%を視覚によって得ています。その視覚に障害があると、私たちの日常生活は、どんなに不自由でしょう。

 視覚の障害には、はっきり見えない(視力障害)、見える範囲が狭い(視野障害)、二重に見える(複視)、見えていても解らない(視覚認知障害)などが含まれます。

視能訓練士の具体的な業務について

  • 眼科診療でのさまざまな視機能検査

    目の病気で「何か見えにくい」と患者さんが訴えた場合、視力やメガネだけがその原因とは限りません。

    近くが見えにくい、暗い所で見えにくい、色がわかりにくい、見える範囲(視野)が欠けている、ゆがんで見えるなど、さまざまな症状があります。

    視能訓練士は眼科医師と協力して、多岐にわたる視機能を各種眼科医療機器を使って検査し、診断・治療に生かします。

  • 弱視・斜視患者さんへの訓練指導

    目の位置(眼位)がズレている斜視のために立体的に物を見る両眼視機能に障害を持つ患者さんや、生まれつき強い屈折異常や斜視が原因でメガネでは視力が十分に出ない弱視の患者さんに視機能回復を目的とした矯正訓練指導を行います。

  • 低視力者へのリハビリ指導(ロービジョンケア)

    高齢社会を背景に糖尿病などの生活習慣病や緑内障、網膜色素変性症などの眼疾患で重度の視機能障害を持つ患者さんの数は増加傾向にあります。

    眼疾患、残存視機能について十分な専門知識をもつ視能訓練士は、このような低視力者の方々に対する拡大鏡などの補助具の選定やその使用に関する指導を行います。

  • 集団検診視機能スクリーニング

    病院内での眼科検査だけでなく、早期発見、早期治療、および予防医学の観点から地域医療活動に参加し、乳幼児検診・学校検診・職場検診・成人病検診・老人保健法による健康管理など、各種検診において視機能スクリーニングを行います。