薬学部
カリキュラム
くすりの専門家としての知識・技能だけでなく、
コミュニケーション能力や応用力も修得。
薬物療法は近年、高度化・専門化し、薬剤師は医師や看護師などと密接に連携を取って、患者さんに最適な治療を行わなければなりません。
そのためには、多くの職種と情報共有し、患者さんに丁寧な服薬指導を行うためのコミュニケーション能力は欠かせません。
それを円滑に行うには「幅広い知識と応用力」も身につける必要があります。
本学のカリキュラムは、基礎~専門領域の講義と実習・演習から構成され、これらのカリキュラムを通じて、医療現場で求められる知識・技能・態度を有した薬剤師の養成に全力をあげて取り組んでいます。
OSCE(客観的臨床能力試験)への対応
薬学共用試験のひとつであるOSCEは、5年次に医療現場に出て実務実習を行うために必要な技能や態度を問う客観的臨床能力試験です。具体的には、散剤、液剤、注射剤などの調剤技能、模擬患者さんへの対応や服薬指導などの課題があります。これらについて万全な対策がとれるよう、医療系薬学実習などさまざまな実習が準備されています。
薬学科カリキュラムの詳細はこちら
(2024年度入学生)
※2023年度以前入学生はこちら
学修の流れ
1年次
基礎を固め教養を高める。
「薬学概論」などで、医療や社会における薬学の役割、薬剤師の使命、薬学の歴史、医薬品開発の概略など、広く一般的な薬学について学びます。併せて「化学」「生物学」、語学などの基礎的な科目を学修し、薬学の基礎をつくります。「コミュニケーション概論」をはじめとした薬剤師としての態度を学ぶ科目も設置。「早期体験実習」では学修に対するモチベーションを高めるために、病院、薬局、製薬企業など現場で活躍する薬剤師の姿を見学し、実習後はディスカッションとプレゼンテーションを行います。
2年次
基礎と応用をバランスよく学ぶ。
1年次に学んだ薬学の基礎をもとに、生物の生命現象、人体の構造や機能、医薬品についての基本的な性質や物性、様々な疾病の成り立ちなど、基礎的な知識と応用をバランスよく学び、「身体のつくりとくすりの性質」を理解します。「物理系薬学実習」では、機器分析化学、物理化学の内容で医薬品の物性評価を行い、医薬品の分析法を修得。得られた結果を解釈し、医薬品に対する理解を深めます。また、「コミュニケーション実習」では、連携能力や患者さんと円滑なコミュニケーションを取る能力も身につけます。
3年次
基礎から応用、そして医療薬学へ。
1〜2年次に学んだ科目をより専門的に、くすりが体内でどのように変化して効いていくのかを学びます。また、くすりに関する情報を適正に扱うことの切さや、健康の維持・増進や疾病予防における薬学の役割を理解します。「分子生物学実習」「免疫生物学実習」や「生物系薬学実習」「衛生系薬学実習」など、専門性の高い実習を配置。「生物系薬学実習」では、動物実験を通して臨床で扱うくすりの効果を確認するとともに、いのちの倫理について学びます。
4年次
医療薬学の理解を深める。
4年次ではこれまで学んできた薬学の知識をさらに一歩進めて、「くすりをどのように使うのか」を理解します。学内実習における「医療系薬学実習」では、薬剤師業務に必要な知識、技能、態度を身につけ、臨床薬学への理解を深めます。また、5年次に行う実務実習に参加するために合格しなければならない薬学共用試験があります。4年次までに身につけた能力について、コンピュータを用いて知識を評価する客観試験(CBT)と、技能・態度を評価する客観的臨床能力試験(OSCE)で評価されます。
薬学共用試験(CBT/OSCE)
6年制課程の薬学部においては共用試験に合格しないと実務実習を行うことができません。CBTはコンピュータを使用した知識を問う試験、OSCEは医療現場に必要な技能と態度を問う客観的臨床能力試験です。
5・6年次
実務実習で実践的な力をつけ
総合薬学演習で薬剤師に必要な実力の定着をめざす。
病院と保険薬局合わせて22週間と長期の実務実習が行われます。臨床現場でより実践的な知識や技能を学び、薬剤師業務を理解するために服薬指導などの技能を修得します。また、地域医療や「チーム医療・チームケア」への参画を通して、調剤および製剤、服薬指導や情報提供、健康相談など、多様な薬剤師の業務を臨床現場で学びます。さらに総合薬学演習では薬学教育課程における学修の集大成として演習やグループディスカッションに取り組み、薬剤師に必要な実力を身につけます。
関連職種連携実習 ※薬学部では5年次に履修できます
他学部·他学科の学生とチーム編成し、医療福祉施設で実際の患者さんの治療計画を立て、カンファレンスに参加するなど本物の「チーム医療・チームケア」を実践します。
5年次の病院・薬局実務実習の実習先について
病院と薬局では、実習先の選定方法が異なります。病院実習は、附属病院をはじめとする関連病院や協力病院に対して学生の希望調査を行ったうえで実習施設を決定します。薬局実習は、関東地区調整機構を通じて決定します。関東近辺出身の学生は、実家近辺の薬局が実習施設となります。関東近辺が出身でない学生は、学生の居住地近辺の薬局で実習が行えるように選定が行われます。
実務実習を行うグループ内施設
- 栃木県 国際医療福祉大学病院/国際医療福祉大学塩谷病院
- 千葉県 国際医療福祉大学成田病院/国際医療福祉大学市川病院
- 東京都 国際医療福祉大学三田病院/山王病院
- 静岡県 国際医療福祉大学熱海病院
科目名 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 |
---|---|---|---|---|---|---|
医療関連法規Ⅰ(医薬品全般に関わる法律) | 必修 | |||||
医療関連法規Ⅱ(医薬品開発と薬害に関する法律の理解) | 必修 | |||||
薬学演習Ⅰ(物理・化学・生物:基礎) | 必修 | |||||
薬学演習Ⅱ(物理・化学・生物:応用) | 必修 | |||||
薬学演習Ⅲ(医療倫理・ヒューマニズム) | 必修 | |||||
病原微生物学 | 必修 | |||||
コミュニケーション実習 | 必修 | |||||
基礎薬学実習 | 必修 | |||||
公衆衛生学Ⅰ(保健統計、疫学、制度) | 必修 | |||||
公衆衛生学Ⅱ(感染症と予防) | 必修 | |||||
薬学概論 | 必修 | |||||
基礎統計学 | 必修 | |||||
有機化学Ⅰ(脂肪族化合物1) | 必修 | |||||
有機化学Ⅱ(脂肪族化合物2) | 必修 | |||||
有機化学Ⅲ(芳香族化合物) | 必修 | |||||
生物有機化学 | 必修 | |||||
生薬学 | 必修 | |||||
天然物化学 | 必修 | |||||
医薬品構造化学Ⅰ(コア構造と作用機構) | 必修 | |||||
医薬品構造化学Ⅱ(代表的医薬品の構造と作用) | 必修 | |||||
医薬品構造解析演習 | 必修 | |||||
有機化学演習 | 選択 | |||||
分析化学Ⅰ(化学平衡と滴定) | 必修 | |||||
分析化学Ⅱ(機器分析) | 必修 | |||||
分析化学Ⅲ(分離分析と臨床分析) | 必修 | |||||
薬品物理化学Ⅰ(物性とエネルギー) | 必修 | |||||
薬品物理化学Ⅱ(平衡と変化) | 必修 | |||||
放射化学 | 必修 | |||||
生化学Ⅰ(生体分子) | 必修 | |||||
生化学Ⅱ(生体エネルギー・代謝) | 必修 | |||||
分子生物学 | 必修 | |||||
細胞生物学 | 必修 | |||||
解剖生理学Ⅰ(器官系概論、神経系等) | 必修 | |||||
解剖生理学Ⅱ(循環器系、消化器系等) | 必修 | |||||
がん薬物療法学 | 必修 | |||||
ゲノム医療 | 必修 | |||||
化学療法学 | 必修 | |||||
免疫学 | 必修 | |||||
疾病と病態生理学Ⅰ(神経精神系疾患、内分泌系疾患等) | 必修 | |||||
疾病と病態生理学Ⅱ(循環器系疾患、消化器系疾患等) | 必修 | |||||
薬理学Ⅰ(総論) | 必修 | |||||
薬理学Ⅱ(末梢神経薬理、中枢神経薬理等) | 必修 | |||||
薬理学Ⅲ(免疫・炎症薬理、循環器薬理、消化器薬理等) | 必修 | |||||
薬理学Ⅳ(呼吸器薬理、内分泌薬理等) | 必修 | |||||
医薬品安全性学 | 必修 | |||||
臨床検査医学 | 必修 | |||||
薬物治療学Ⅰ(神経精神系疾患、内分泌系疾患等) | 必修 | |||||
薬物治療学Ⅱ(循環器系疾患、呼吸器系疾患等) | 必修 | |||||
薬物治療学Ⅲ(症例・病態解析) | 必修 | |||||
物理薬剤学 | 必修 | |||||
製剤設計とDDS | 必修 | |||||
臨床薬学Ⅰ(調剤の基礎) | 必修 | |||||
臨床薬学Ⅱ(調剤の実践) | 必修 | |||||
臨床薬学Ⅲ(薬物療法の実践) | 必修 | |||||
臨床薬学Ⅳ(チーム医療・地域医療の実践その前に) | 必修 | 必修 | ||||
薬物動態学 | 必修 | |||||
臨床薬物動態学 | 必修 | |||||
医薬品情報学Ⅰ(医薬品情報の収集と活用) | 必修 | |||||
医薬品情報学Ⅱ(EBMと臨床研究) | 必修 | |||||
衛生化学Ⅰ(食品・栄養) | 必修 | |||||
衛生化学Ⅱ(毒性・代謝) | 必修 | |||||
環境衛生学 | 必修 | |||||
日本薬局方Ⅰ(通則、総則、一般試験法) | 必修 | |||||
日本薬局方Ⅱ(代表的な医薬品の試験と生産管理) | 必修 | |||||
漢方医学Ⅰ(漢方の基礎) | 必修 | |||||
漢方医学Ⅱ(漢方の応用) | 選択 | |||||
OTC医薬品概論 | 必修 | |||||
医療データサイエンス概論 | 必修 | |||||
医療データサイエンス演習 | 必修 | |||||
医薬品レギュラトリーサイエンス概論 | 必修 | |||||
化学系薬学実習Ⅰ(有機合成) | 必修 | |||||
化学系薬学実習Ⅱ(天然資源) | 必修 | |||||
物理系薬学実習 | 必修 | |||||
生物系薬学実習 | 必修 | |||||
分子生物学実習 | 必修 | |||||
免疫微生物学実習 | 必修 | |||||
薬剤学実習 | 必修 | |||||
フィジカルアセスメント実習 | 必修 | |||||
衛生系薬学実習 | 必修 | |||||
早期体験実習 | 必修 | |||||
医療系薬学実習Ⅰ(調剤の基礎と情報収集) | 必修 | |||||
医療系薬学実習Ⅱ(調剤の実践と服薬指導) | 必修 | |||||
医療系薬学実習Ⅲ(実務実習で必要な基本的技能) | 必修 | |||||
実務実習事前演習 | 必修 | |||||
薬局実務実習 | 必修 | 必修 | ||||
病院実務実習 | 必修 | 必修 | ||||
総合薬学演習Ⅰ(薬剤師の使命を含む基礎項目の確認) | 必修 | |||||
総合薬学演習Ⅱ(理解力および問題解決能力の養成) | 必修 | |||||
卒業研究 | 必修 | 必修 | ||||
先進臨床薬学実習 | 選択 |
※表記の科目は全課程の一部であり、このほかにも履修科目があります。